最近のニュースで、「年金運用で7.8兆円の損失が出た」という報道がありましたね。
【参考】【悲報】GPIF「年金で株やって運用してくわ」結果⇒報道「公的年金の運用損失7.8兆円ww」なお、トータル40兆円勝ってるが報道なし
私はいくつかのTVニュース番組などで見ましたが、どこも「7~9月で7.8兆円の運用損」という部分ばかりを強調していましたが、これにはいくつかの大きな問題点があります。
- 今年最も相場が悪かった三ヶ月の運用成績だけを切り取って報道
- そもそも含み損であり、確定損ではないことを一切報道しない
- 10月・11月の相場ではその含み損すらほとんど回復している事実も完全スルー
- 年間通して、あるいは複数年をトータルしての大きな利益についても一言も触れない
- 「運用」と言っても大部分をインデックス型ETFに投資しているのであって、運用手腕の良し悪しには全く関係なく単に相場に連動して含み損が出ただけなのに、あたかも「運用の腕が悪かったせいで損が出た」かのような印象を与える報道姿勢
このように、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による運用のプラス面、すなわち(叩きたいマスコミにとって)都合の悪い事実には一切触れず、とにかくGPIFを叩きたい、ひいては与党・政府を叩きたいというマスコミによるバレバレの思惑しか見えてきません。
投資素人を恐怖で煽るミスリード
株や投資などに疎い人があのニュースを見て、どう感じるでしょうか?
「やっぱり株は危ない」
「年金を投資で運用するなんてとんでもない」
「政府は責任を取れ」
などと思う人がたくさん出てきてもおかしくないですね。
ETF投資について、まるで投機であるかのように誤解して受け取るのが、投資に詳しくない一般的な素人でしょう。投資と投機は似て非なる全くの別物です。
しかし先述したようなプラス面もしっかり報道し、さらに過去100年の世界中の株式相場の変動チャートでも見せてやれば、そういう人たちの考え方もまた変わるでしょう。
マスコミの主張を真に受けていたら事実とは全く逆の印象を持たされかねないという、当たり前の教訓を再確認させられるニュースでしたね。これはもう「誤解を招く報道」を通り越して、「間違った印象を与えるための恣意的な報道」と言っても過言ではないでしょう。
個別投資とインデックス投資の違いを知ろう
当ブログを読んでくださっている方は投資や投機について詳しいことでしょうから、このようなマスコミによるミスリードに騙される方はいないかと思います。ご家族や友人などにも説明してあげたほうが年金について安心するかもしれませんね。
ちなみに個人的には年金制度の崩壊を心配しているクチですが、だからと言って現在の年金運用方法については文句はありません。ETF投資というのはベターな選択肢だと思います。
結局クソ役人が跋扈するから投資も疑われる
ただし念のためわざわざ書きますが、今回槍玉にあがっている投資手法はともかくとして、GPIFや日本年金機構などが「まともな組織」とは限らない。いや、むしろ役人体質そのもののクソ組織であるということには変わりない、ということです。
【参考】年金積立金管理運用独立行政法人 – Wikipedia
【参考】萩原栄幸の情報セキュリティ相談室:年金機構の情報漏えい、組織の問題点を探る (1/3) – ITmedia エンタープライズ
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