あなたは1日の利益目標をどのように設定していますか?
FXに慣れ始めると、だんだん大きな利益を狙いたくなってきます。たとえば100pipsとか200pipsとか取れると、とても気持ちがいい。また、それくらい取らないと、大きく稼げないように思える。
でも、どうでしょう。
たとえば1日10pipsの目標だったら、まったく稼げないのでしょうか?
ドル円で1枚10pipsは千円の利益ですから、1日千円じゃ「大儲け」とは程遠いですね。
10pipsを積み重ねたときの資金の増え方
ちょっと具体的に試算してみましょう。
もしも1日10pipsの利益を1年間(240営業日)続けられたら、資金はどのように増えるのか。
現実的な低めのレバレッジで考えてみます。
たとえば安全を重視して、実質レバレッジが常に10倍となる枚数で勝負するとします。これなら、レバレッジが25倍という規制になっても、十分可能ですね。資金100万円からのスタートならば、最初は7枚(ポンド円の現在のレートで計算した場合)でエントリーできる計算です。
資金が増えるにしたがって、その時点でのレバ10倍となるような枚数に調整します。たとえば上記の例で言えば、資金が108万円を超えたあたりで8枚、122万円を超えたあたりで9枚・・・となります。負けてしまって資金が減った場合にも、実質レバが10倍となるように枚数を減らします。
1年でここまでデカくなる
こうしていくと、1年(240営業日)経つ頃には、なんと100万円が550万円になっています。低めのレバレッジでもこの結果。これがいわゆる「複利の効果」というものです。1日10pipsも積もれば山となるのです。
もちろんたった10pipsとは言え確実に取るのは難しいですし、240日連続で負け無しなどありえません。でも、100pipsを狙うよりははるかに簡単だと思いませんか?
具体的に気をつけること
これを実現するには、目標とする利益に合わせた狭いストップが必要となります。狭いストップにするためには、エントリー位置を十分に厳選することが重要です。1日の目標が10pipsだからと言って、個々のトレードにおいても必ずしもリミットを10pipsにするのが良いとは限りません。それは状況に応じて適宜変え、勝ち負けがありつつ1日トータルで10pips以上利益があればいいと考えましょう。
たとえばリミットが20~30pips、ストップが10~20pipsという設定にできるようなチャンスのみエントリーし、含み益が10pipsを超えた時点でストップを建値に移動するような戦略が有効ではないでしょうか。
そうすれば、自然とリスク・リワード比率が良いトレード、すなわちプロフィット・ファクターがだいたい1~2くらいに収束していく可能性が高くなります。このようなリミット・ストップの幅でやっていれば、勝率が51%以上あれば長期的にはプラスとなります。
丁半博打より有利に傾けるためには
要するに完全に偶然に頼る丁半博打に、ほんの少しだけ統計的に有利な何か(エッジというヤツですね)を加えればいいわけです。だから、そのエッジを付加するための自分なりのルールが大事になってきます。
たとえば、200日移動平均線にタッチしたら逆張りエントリーする・・・とか。そのルールおよびPFが1以上となるリスク・リワード設定でのトレードで51%以上勝てるのならば、あなたは将来的に億万長者となれるかもしれません。勝率90%とか必要ないんです。丁半博打(勝率50%)よりもたった1%だけ上回っていればいいのです。もちろんリスク・リワードが良ければ勝率10%でもいいのです。
★追記
簡単に複利計算できるツールを作りました。よかったら使ってください。
↓
FX複利計算ツール
複利での運用を実行する際には、以下の複利に特化した戦略も参考になさってください。
↓
https://blog.fxmessi.com/2014/12/02/3245/
コメント
はじめまして、サンクチュアリと申します。
市場参加者の思惑、というテーマでネット上をウロウロしていたら
たどり着きました。
非常に共感できる内容が多く、大変勉強になりました。
これからも有意義な記事の更新を楽しみにしてます。
ありがとうございました。
>サンクチュアリさん
読んでくださってありがとうございます。
拙い内容ではありますが、自分が今までの研究で構築・発見してきたもののほとんどは既にブログに全て書いてあります。
ですので、今後書く内容はこれまでの繰り返しになることもけっこう多いかと思います。もし良かったら過去記事を何度も読んでいただければ、と思います。自分自身、時間がたってから過去の記事を読むと、自分で新たな気付きがあったりします。
[…] 以前、「1日10pipsの破壊力」という記事を書きました。 […]