FXの損切りと株の損切りはどこが違うのか?

損切りは大事だ。
耳にタコが出来るほど見聞きしたフレーズかもしれません。

このブログでも再三、損切りの必要性について書いてきました。

しかし!

最近あることに気がついたのです。

株とFXとでは、損切りの意味合いがまったく違う

ということに。

株の場合、絶対額としてゼロ円以下にはなりません。したがって、基本的に株価の下限は決まっているけど上限は決まっていない。つまり株は構造的に上方バイアスがかかっているのです。(※注:こうした構造のせいで、株の空売りは利益が限定的で損失が無限大となります)

しかしFXの場合、二つの通貨間の為替レートですから、それは相対的な価値であり、上限も下限もない。どちらにもバイアスがないのです。ここが株と決定的に違うところ。

で、株の場合は、買った株が思惑通り上がらず停滞していたり下がっていった場合は、さっさと損切りして株を現金に戻し、他の成長余地のある株に乗り換える必要がある。これが損切りの目的です。資金効率をよくするため、あるいは既に「終わっている銘柄」から脱出するのが株の損切りです。

 

一方、FXの損切りの場合は、単純に「どこまで膨らむか分からない損失をそれ以上拡大させないためにとりあえずポジションを解消する」のが目的です。株の場合、その銘柄が「終わっている」企業の株であれば、以後また成長期に入って株価が上昇する可能性は低い。塩漬け株は永遠に塩漬けのままである確率が高い。

しかしFXの場合は、損切りしたあとでまた元のレートに戻ったり、あるいはそのまま保持してれば逆にプラスになったかもしれないというパターンが多いですね。もちろん、長期的には永遠に戻らなそうなレートもあります。たとえばドル円が今後また1ドル200円とか300円とかの時代が来るかと言えば、可能性はかなり低そうですね。

でも、短期的に見れば、広い意味でレンジを形成してることが多い。為替レートは相対的であり、どちらかに一方的に進み続けることは少ないですから。すなわち、損切りしなくても助かる確率が高いと言えそうです。それでもFXにおいて「塩漬け」にしたポジションが助からずに強制ロスカットになってしまう例はたくさんありますが、それはレバレッジが高すぎるため。このレバレッジの存在も株とまったく違う点です。

 

じゃあFXにおいて、損切りをどのように考えればいいのか?
僕の現在の研究結果では、「損切りのストップ注文はもちろん置く。しかし無駄な損切りをしないために、ちょっと遠めに置く」という結論に達しています。

「損小利大」とか「損切りは早めに」という金言を重んじすぎるあまり、まるで損切りすること自体が目的であるかのようなストップロスの置き方になっていた。でもそれは間違いだと最近思いはじめました。

前出の金言は、基本的に株式相場の世界(それも主に長期トレード)で生まれたものです。しかし、さきほど述べたように、株式とFXでは「絶対的な株価」と「相対的な為替レート」という決定的な違いがあります。つまり株の場合と同じような損切りの考え方では、無意味な損切りが続出することに気づいたのです。

株はある企業の株価がブレイクアウトすると、一方向(上昇)に爆発的に伸びていくことがある。だから損小利大を狙い、上値を更新し続けている限り我慢強くホールドする必要がある。しかし為替相場は基本相対でありレンジです。せっかくの含み益が反転して消えてしまう前に利益を確保する必要があるし、逆に含み損が出ていても、それが単なる押しや戻りであり調整の動きによるものでしかないときは、むやみに損切りしても無駄に損失を確定するだけなのです。

以上が、最近数ヶ月で研究してきた結果の、自分なりのまとめです。損切りを重んじすぎて損切り貧乏になっていた戒めから、このような結論に達しました。なお、この結論を得てから自分の戦略・戦術を変更し、非常に成績が向上しています。それにストレスから解放されました。

あなたもいま一度、適切な損切りとはどうあるべきか?を考えてみてください。

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