ゆとりでも分かるFXは素人でも勝つ可能性がある理由

ゆとりでも分かるFXがお勧めできない理由というブログ記事を読みました。

資産運用において、FXがお勧めできないのはなぜか。リスクが高いとかいう理由もあるのですが、そういうのは後回しにして結論。

理由:FXは基本ゼロサムだから。

これは全くその通りです。僕も当ブログで以前に同じようなことを書きました。FXはゼロサムなので、長い目で見たら、仮に負けないにしてもプラマイゼロで終わる可能性が高く、手数料と時間だけ損するから止めろ、と。

ただちょっと気になったのが以下の部分。

たとえばGDP成長率とか失業率の動向とか株価とかインフレ率とか中央銀行の金融政策とか銀行の信頼性とか、もう数限りない指標に絶えず目を配っていなければ通貨の変動の背景事情は分からないということです*2。そして、日経新聞をこれから真剣に読もうか、などと考えている学生よりも、為替市場に参加している専門家は、はるかにはるかにこれらの事情に詳しい。つまり、これからFXを始めようか、なんて考えている人は、当然、FX市場参加者の平均の能力など、持ち合わせていないのです*3。

これは確かにそうです。そういう業界に身を置いて、トレード専門の職業にでも従事しない限り、こうした幅広い情報を継続して入手するのは難しいでしょう。しかしその事実をもってして、「だからFXは素人には無理なのだ」と言い切ることも出来ないと僕は思います。なぜならば、この記事を書いた方の考えはファンダメンタルズ重視に偏りすぎているからです。

たしかにそうしたファンダメンタルズの情報は、素人が簡単に入手・分析できるものではありません。しかし、そもそも僕はFX取引においてファンダメンタルズが大事だとはあまり思っていません。むしろテクニカルのほうが大事だと思っています。そして、テクニカル(チャート)には、ファンダメンタルズや市場参加者の思惑、その他もろもろ全てが織り込まれていると考えています。あらゆる事実や活動や思惑の集合体が価格であり、その推移を時系列にして一目瞭然に表示するのがチャートです。したがって、テクニカルさえ極めれば、それで結果的にファンダメンタルズも包括していることになると思います。ファンダメンタルズとテクニカルについての考察は以前に書きました → ファンダメンタル分析とテクニカル分析、どちらが有用か?

で、ひと昔前までは、ファンダメンタルズはもとより、テクニカルの情報も素人にはアクセスしにくいものでした。しかし今ではインターネットのおかげで、プロとほぼ同等にリアルタイムでプライス情報が手に入ります。また昔はチャートを手書きしていたそうですが、現在ではMetaTraderなどのソフトのおかげで、チャート表示もテクニカル指標の表示も自動かつ瞬時に出来ます。

すなわちテクニカルにおいては、素人でもプロと同じ土俵で戦えるのです。(GSみたいに一瞬でアービトラージ売買をぶち込む、とかは別次元の話ですよ)

つまり素人でも、もはや環境的なハンデはほとんど気にする必要がない時代になっている。で、後は結局、当ブログでいつも書いてる通り、徹底したルール化とそれを守る自己規律。要するに最も大事なのは自分との戦いであって、他者(「専門家」と称される人々とか)は関係ないのです。

そういうわけで、素人(トレード環境がプロとは違うという意味での素人)でも勝てる可能性が十分にあると言っておきます。実際僕はテクニカルのみで勝っています。今のところ。

でも引用した記事でも、過去の僕の記事でも書いてます通り、基本的にはゼロサムであるということだけは忘れないでください。また、おそらく引用元記事の方は「投資(たぶん長期の)」を意識されているだろうと思いますが、僕は「投機」を意識しています。この辺の意識の違いも、FXへの見方が変わる一因となるでしょう。

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